この記事でわかること
- Technics EAH-AZ100の特徴や使用感
- 前モデルEAH-AZ80との比較
- EAH-AZ80を販売から使ってきた筆者の感想
こんにちは!じゃが畑のじゃが(@jaga_farm)です。
遂に登場したTechnics新フラグシップ!EAH-AZ80を1年間使い倒した私が「AZ100で何が変わったのか」リアルな使用感を伝えていきます。
EAH-AZ100は、完全ワイヤレスイヤホンで業界初の「磁性流体ドライバー」を搭載。音質面で大きな進化を遂げた注目のモデルです。

先日ラスベガスで開催されていたCES2025に参加していたのですが、「EAH-AZ100が本日発表になりました」ということで会場で展示されていました。もちろん即視聴させてもらった瞬間EAH-AZ80との違いに驚き、即購入を決意(笑)帰国して即ポチりました。
音質以外にも本体は10%、コンチャ体積は30%減となった小型設計。本体は小型になりつつも再生時間はAAC接続で3時間アップの10時間連続再生。(LDAC接続時は4.5時間 → 7時間に)
そしてEAH-AZ80ですごく不満に思っていたノイズキャンセリング時の音がこもった感じがEAH-AZ100で大幅改善。ノイズキャンセリングを常用で使っても満足できる音質にまで進化しました。
今回は実際に使用してみた感想と、前モデルEAH-AZ80との比較を詳しく解説していきます。

前モデルを使っていた人はもちろん、2025年最高音質の完全ワイヤレスイヤホンが欲しい人は選んで間違いなし!
- 業界初の磁性流体ドライバーを搭載した完全ワイヤレスイヤホン
- 有線イヤホン最上位モデル「EAH-TZ700」の磁性流体ドライバー技術を継承
- 周波数特性20Hz〜40kHzのハイレゾ対応
- ノイズキャンセリング中でも原音忠実再生
- フィードバックマイクを改良したアダプティブNC
- 片耳重量5.9g(前モデル比10%軽)
- コンチャ体積を30%削減した小型化設計
それではTechnics EAH-AZ100 レビュー | 2025年最高モデル決定!?磁性流体ドライバー搭載の完全ワイヤレスイヤホンを書いていきます。
Technics EAH-AZ100の特徴


- EAH-AZ100本体
- イヤーピース(XS・S・M・ML・L)
- 充電用Type-Cケーブル
- 取扱説明書
業界初の「磁性流体ドライバー」


Technics EAH-AZ100の目玉はなんといっても「磁性流体ドライバー」の採用です。完全ワイヤレスイヤホンに磁性流体ドライバーって搭載できるんだ!?とCESの会場で度肝を抜かしました。
従来のダイナミック型ドライバーを進化させた技術となっており、低音の迫力アップと高解像度な中高音を実現してくれます。
同メーカーからは磁性流体ドライバーを採用した有線イヤホン最上位モデルとして2019年に発売の「EAH-TZ700」(132,000円)が存在しています。
項目 | EAH-TZ700 | EAH-AZ100 |
---|---|---|
ドライバー技術 | 磁性流体ドライバー | 磁性流体ドライバー(小型化版) |
振動板素材 | アルミニウム | アルミニウム |
フリーエッジ構造 | あり | あり |
周波数特性 | 3Hz – 100kHz | 20Hz – 40kHz |
価格 | 132,000円(税込) | 39,600円 |
EAH-AZ100のドライバーは、EAH-TZ700の技術を基にしており、構成要素はほぼ同じですが、完全ワイヤレスイヤホンとしての小型化が施されています。そのため、EAH-TZ700と同等の高解像度で歪みの少ない音質を実現しつつ、価格を大幅に抑えることに成功しています。



13万クラスの有線イヤホンと同じドライバーを使っているというだけでお得さがかなり増してきたね!
前作モデルから大幅パワーアップ


以下に、Technics「EAH-AZ100」と「EAH-AZ80」の主要な違いを一覧表でまとめます。
磁性流体ドライバーを搭載しただけでも驚きですが、空間オーディオに対応。バッテリー駆動時間は伸び、本体は軽量かつ小型化。LC3も採用して通話性能もアップ。これで4万円以下と前モデルからの値上げ幅も約3,000円となんとコスパが良すぎるモデルなんでしょうか。
価格だけ見ると約40,000円は高く感じますが、内容を見ると納得のスペックとなっています。




また前作と同じくタッチ操作のカスタマイズも可能に。好みの操作方法を1つ1つ割り当てることができます。
Technics EAH-AZ100のレビュー
それではTechnics EAH-AZ100を実際に使ってみたレビューをしていきます。
2025年最高音質


最初に” 2025年の完全ワイヤレスイヤホンランキングが年初の1月に決まるとは思いませんでした “と言っていいほど、EAH-AZ100の完成度は高いです。
磁性流体ドライバーの採用で中高音域がアップしたことで本来の低音の迫力が戻ってきたという表現が正しいと思うほど、低音の迫力が増したとすぐに分かります。


初期設定のEQ「ダイレクト」では低音と高音を大きく持ち上げてどちらかというとドンシャリとしたサウンドに。落ち着きのあるEAH-AZ80の進化を思っていた人はかなりの性質の違いに驚かされるでしょう。ぼくはEAH-AZ80の落ち着きのある解像感が高いサウンドが好きだったのでEQはカスタムで使っています(ぼくのEQカスタム設定は後述)。
好みのEQに仕上げたEAH-AZ100はまさに格別。中高音域の透明感の高さはそのままにEAH-AZ80では足りなかった低音が少し足された仕上がりに。1音1音がはっきりとした原音を忠実に再現したピュアオーディオのようなサウンドが完全ワイヤレスイヤホンで実現できます。


iPhoneではAAC接続までしかできませんが、AndroidやWindowsのLDAC > Apple製品のAAC接続 >>>> AndroidやWindowsのAAC接続と言った形でかなりLDACに近い視聴体験が可能です。AirPods Proとは格段に違うクリア感が手に入れることができます。



AirPods系は音楽を気軽に楽しむガジェット。EAH-AZ100は音をこだわって聴きたいイヤホンっていうのがぼくの印象です。
ノイズキャンセリングでの音質劣化が少なく!


先代EAH-AZ80を使っていた人なら分かると思いますが、めちゃくちゃ不満だったノイズキャンセリングONとOFFでの音質の差。ノイズキャンセリングやアンビエント(外音取り込み)を実行すると中高音が極端に削られるため、解像感のある音場を潰して、こもった感じがするんですよね。
これが不満でEAH-AZ80はノイズキャンセリングはほぼ使わず常にOFF。人と話すときだけアンビエントモードを使用していました。


対するEAH-AZ100はノイズキャンセリング時の音質劣化が大幅改善。騒がしい環境でノイズをONにしても中高音域の削られた感覚がかなり減り、騒音も聞こえなくなることから音楽に集中できるようになりました。



EAH-AZ80で不満だった音質劣化がほぼわからないレベルまで改善され常用できるようになりました!これは嬉しい!
マルチポイント接続はさらに洗練され、カスタマイズ可能に


前作でもあった最大3台のマルチポイント接続はEAH-AZ100でも採用。


AACまでしか必要としないApple製品に囲まれている方などではiPhone / iPad / Macと言った形で3台まで同時接続できるのでAirPodsのようなシームレスなデバイス切り替えをEAH-AZ100でも体験することができます。


さらにEAH-AZ100での進化点としてマルチポイントの動作をカスタマイズ可能に!
シーン | 動作 |
---|---|
音楽再生中 (他の機器で音楽再生をしたとき) | 再生機器が切り替わらない 再生機器が切り替わる |
通話中 (他の機器に電話がかかってきたとき) | 着信音を鳴らさない 着信音を鳴らす |
上記の設定はTechnicsのアプリ「Audio Connect」から設定可能。マルチポイント接続時の動作まで細かく設定できるワイヤレスイヤホンは初めて見ました。
10%小型化されたデザイン


EAH-AZ100はイヤホン本体が約10%小型化され、重量も片耳7.0gから5.9gに軽量化されました。




EAH-AZ80と並べても見た目からサイズの違いがよくわかりますよね。丸く可愛らしい筐体デザインになりました。
耳の外側にあるくぼみ「コンチャ」にフィットするコンチャフィット形状をEAH-AZ80でも採用されていました。


EAH-AZ100はコンチャ体積が約30%減。耳の小さい人にもフィットしやすいだけでなく、EAH-AZ80で問題なかった人にとっても装着感が軽くなり、長時間の装着が更にしやすくなりました。
ぼくは耳は小さくないもののEAH-AZ80を数時間連続で装着していると少し痛みが伴いましたが、EAH-AZ100ではそんな心配は全くなし。快適な装着感で高音質が実現できています。
おすすめのEQ設定
EAH-AZ100の口コミを見たことある人は、すぐに目に入るほどさまざまな場所で言われていますが、EAH-AZ100は先代と比べて低音の迫力がかなり増しています。
とくにデフォルトで設定されているEQ「ダイレクト」音質劣化を最小限に抑え、原音に忠実なサウンドを再現することを目的としたモードです。その味付けがかなり低音から中音域が「過剰に強調されているように感じる」と批評があっているようですね。
そのため低音から中音域にかけて自分の好みに変えたEQが望ましいと感じています。


低音は少し抑えめに設定し、中高音を自分の好みに上げました。これによりEAH-AZ100で強調されるようになった低音域が減り、逆に中高音域はアップ。EAH-AZ80に近い味付けに近づけることができました。
好みはあると思いますが、低音を少し減らすから初めて中高音域のを少し持ち上げる方向で調整してみると好みのサウンドになりやすいかと思います。
Apple製品にはFIIO BT11との組み合わせがおすすめ!


EAH-AZ100はハイレゾ音源のワイヤレス伝送が可能となるBluetoothオーディオコーデック「LDAC」に対応しています。LDACは990kbpsのビットレートで96kHz/24bitのハイレゾ音源をダウンコンバートすることなく再生することができるBluetoothコーデックです。


多くの人が使っているPhoneを含むApple製品はAACまでしか対応していません。EAH-AZ100をせっかく購入したなら性能を活かしたいですよねという人におすすめなのが「FIIO BT11」。aptX系は「aptX HD」まで、さらに「LDAC」にも対応した夢のようなBluetoothトランシーバーです。
実際に使ってみたところ不具合を感じたのは人が多い駅構内で少し途切れることがありました。その際はマルチペアリングで2台接続していましたが、
おすすめのイヤーピースは?




やはり先代のEAH-AZ80と同じくCOREIR -コレイル-がおすすめです。イヤーピースのコア部分に金属を使うことで音の伸びを向上させるイヤーピースですね。
純正イヤーピースでMサイズがピッタリのぼくはMSサイズがちょうどよかったです。


COREIR -コレイル-を使うことで中高音の響きが大きく変わります。1度使うと正直COREIR -コレイル-なしではありえないほど響きが良くなり、巷で絶賛されている理由も頷けます。


ただCOREIR -コレイル-には2種類あり、BRASSの方は真鍮が使われており、長期間使っていると青サビ(緑青)が発生し、大きさや音の伸びが少し変化するだけでなく見た目も悪くなります。




そういった声から生まれた「Pentaconn COREIR -ペンタコン コレイル- AL ALLOY」はアルミニウム合金をコアとして採用しており、音質向上の機能は果たしつつ、黒アルマイト処理が行われ耐久性が向上しています。
AL ALLOYを使うのはこれからですが、BRASSの劣化はとても早かったのでどの程度持つのか楽しみです。





個人的に音質が好みなのは真鍮を採用しているBRASSですが、すぐ劣化するため気になる方はAL ALLOYがおすすめです。
充電ケースや耳から取り出しにくい
EAH-AZ100はイヤホン本体が丸く小型化されたことで充電ケースや耳から顕著に取り出しにくくなりました。




EAH-AZ100のイヤホン本体が丸みを帯びたデザインとなり、滑りやすく指でつまむスペースがほぼ無くなりました。充電ケースから取り出す際は正面からまっすぐ持ち上げようとするとつまみにくいので充電ケース中央から端に向かって、イヤホン側面を押すことでイヤホン本体が飛び出るためその状態で持ち上げています。
EAH-AZ80ではそのままつまむことができたのでひと手間増えた印象です。
ただこの問題は慣れが解決してくれるので、購入してすぐはイヤホン本体が小型化した弊害がある。くらいの認識で大丈夫かと思います。
公式HPにも中央から端に寄せてから持ち上げると案内がありました
Technics EAH-AZ100はどんな人におすすめ?
最後にTechnics EAH-AZ100はどんな人におすすめなのかまとめていきます。
- 完全ワイヤレスイヤホンの音質にこだわりたい人
- Apple製品に囲まれた音質にこだわりたいユーザー
EAH-AZ100は前述した通り2025年完全ワイヤレスイヤホンランキング1位になりうるほどの完成度のイヤホンです。1月にこれが出てきたんだから今年はどうなるのかとワクワクしますよね。完全ワイヤレスイヤホンでも音質にこだわりたいユーザーは「EAH-AZ100 1択」と言っていいほど高い完成度とバランスの取れた音を提供してくれます。
また前作からのマルチポイント 最大3台接続はiPhone / iPad / Macを持っているユーザーにはAirPodsと変わらないシームレスな切り替えを実現してくれます。Bluetoothのデバイス切り替えは地味に面倒なので複数デバイスを普段から使っている音質にこだわりたい方にもEAH-AZ100はとてもおすすめです。
まとめ
磁性流体ドライバーを搭載した完全ワイヤレスイヤホン Technics EAH-AZ100をレビューしてみました。


- 磁性流体ドライバーの採用により低音の迫力アップと高解像度な中高音を実現
- 13万円の有線イヤホンと構成要素はほぼ同じ
- 本体小型化をはじめとし、基本性能が大幅アップ
- ノイズキャンセリングの音質劣化がほぼ無くなる
- マルチポイント接続は最大3台で動作のカスタマイズも可能
- コンチャ体積が30%減で長時間の装着でも痛みなし
- 充電ケースから取り出しにくい
- 低音が強くなりすぎているのでEQで要調整(好みあり)
先代モデルEAH-AZ80を愛用してきたぼくにとっては「こんなに進化してこの値段で本当にいいんですか!?」と言いたいほどアップグレードしているEAH-AZ100を年初に出してきたTechnicsさんには白旗です(笑)参りました。
進化点を中心にまとめてきましたが、立ち返ってEAH-AZ100だけ見てもとんでもない完成度です。磁性流体ドライバーを試したい人はもちろん、1つ完成された完全ワイヤレスイヤホンを買うなら(2025)となると完全にEAH-AZ100で間違いありません。
気になっている方は店頭での視聴をおすすめします。ただし個人的にはEQを少しいじって完全体と思っているので専用アプリをインストールした状態で店頭で視聴することを強くおすすめします。
最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた〜!


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