この記事でわかること
- コスパ最強NAS「UGREEN NASync」の実力
- 3モデル徹底比較(DXP2800 / DXP4800 Plus / DXP6800 Pro)
- スマホアプリで超簡単な初期設定方法を紹介
- 実測速度・騒音・実用シナリオ別レビュー
こんにちは!じゃが畑のじゃが(@jaga_farm)です。
クラウド時代の今、スマホから溢れた写真はクラウドに月額払って保存しています。って人少なくないかと思います。おそらく理由は月々支払うだけで簡単だから。逆に「NASって高くて設定が難しそう……」そんな常識を覆す革命的な製品が登場しました!

クラウドストレージ顔負けの手軽さで、プロでも使うような機器性能をたった3万円台から!
今回ご紹介するUGREEN NASyncは、家電量販店で見かけるNASのイメージを完全に刷新。スマホアプリでポチポチ操作するだけで設定完了、4K動画のストリーミングも余裕、しかも同スペックの他社製品の半額以下という驚異のコスパを実現しています。
記事後半には実際に570枚のRAW写真を読み込んで計測した「NAS上での実作業速度」や、Thunderbolt 4搭載モデルならではの「プロユースの可能性」まで、他では読めない3機種を比較したリアルな体験レポートをたっぷりお届けします。データ管理に革命を起こす1台の全貌に迫りましょう!
- 他メーカーの同製品と比べて半額以下の高コスパ(クラファン価格は通常価格の40%OFF)
- CPUからネットワークインターフェースまで高性能なハードウェア
- UGREEN NASアプリで直感的な操作性を実現
- 豊富なRAID機能
- SSDキャッシュ搭載
- 充実のアプリケーション
- マルチOS対応(Windows・MacOS・Android・iOSなど)
それではUGREEN NASync 全モデル比較ガイド | プロが教える最適モデルの選び方と実測レビューを書いていきます。
UGREEN NASyncの特徴 | 各モデル比較






NASync DXP2800 | NASync DXP4800 Plus | NASync DXP6800 Pro | |
---|---|---|---|
通常価格(税込) | 55,880円 | 99,880円 | 169,880円 |
クラファン価格 | 33,528円 | 59,928円 | 101,928円 |
CPU | Intel N100 | Intel 8505 | Intel Core i5-1235u |
メモリ | 最大16GB DDR5 | 最大64GB DDR5 | 最大64GB DDR5 |
フラッシュメモリ | eMMC 32GB | SSD 128GB | SSD 128GB |
HDDスロット | 2 | 4 | 6 |
最大容量 | 64TB HDD:24TB × 2 SSD:8TB × 2 | 112TB HDD:24TB × 4 SSD:8TB × 2 | 160TB HDD:24TB × 6 SSD:8TB × 2 |
RAID | JBOD/Basic/0/1 | JBOD/Basic/0/1/5/6/10 | JBOD/Basic/0/1/5/6/10 |
ネットワーク | 2.5GbE x1 | 2.5GbE + 10GbE | 10GbE x2 |
転送速度 (実際の転送値予想) | 280〜310MB/s | 500〜1200MB/s | 1200〜2400MB/s |
HDMI出力 | 4K | 4K | 8K 60Hz |
SDカードスロット | なし | あり | あり |
Thunderbolt 4 | なし | なし | 2 |
サイズ/重量 | 23.1×10.9×17.7cm 2.56kg | 25.7×17.8×17.8cm 3.65kg | 29.3×25.8×20.0cm 8.00kg |
特徴 | エントリーモデル | バランス重視 | プロ/ハイエンド向け |
UGREEN NASyncは最低のエントリーモデルとされるDXP2800であってもスペックに妥協がありません。
CPUは最低モデルでもintel N100を搭載。これはスマホのミドルレンジCPU(例:Snapdragon 7シリーズ)のような軽快さで、動画視聴やメール作業が快適にできる性能。デスクトップ向けの古いCore i3より省電力で、小型パソコンやシンプルなタブレット向けとなっています。
HDDの最大容量は1ベイで最大24TBのHDDをサポート。モデルによってドライブベイの数が異なるため、モデルが上がるごとに最大容量が48TB(24TB × 2)ずつ増えます。
ネットワークインターフェースも2.5GbEthernet始まり。一般的なNASならDXP2800の価格帯だと1GbEthernetしか搭載していません。モデルが1つ上のDXP4800 Plusだと10GbEthernetが搭載。最上位のDXP6800 Proだと10GbEthernet × 2(Link-Aggregation)で20GbEthernetの接続が可能となっています。
つまりは一言で表すと「UGREEN NASyncは価格お化け」。NASで有名なSynologyやQNAPではありえないような価格設定となっています。



低価格ながら機能が充実!スペックと価格を見るとコストパフォーマンスが高すぎます(笑)


3機種を並べて見るとサイズが大きく違うことがわかります。こう並べて見るとDXP6800 Proは一般家庭置くにはさすがに大きいと感じますね(笑)圧倒的存在感です。
一般的な家庭となるとWi-Fiルーターの横に置くことが想定されますが、DXP4800 PlusやDXP6800 Proを購入する際には設置場所も考えたうえでの購入をおすすめします。
HDDの取り付け方法について簡単に触れておきます。NASyncは3.5インチのHDDを取り付ける場合はネジ止めなど一切不要です。




NASyncはHDDベイの下部分を押すことで持ち手が飛びててくるので後は引き抜くだけです。


HDDベイはこのような形。




背面のPressを押しながら上に上げることで少し広がります。




あとはHDDにある穴と一致するため、下から穴に入れて先ほどスライドした部分を閉じればロック完了です。




HDDをとりつければNASync本体にHDDを戻すだけ。どのモデルもこの手順は同様となっており、非常に簡単に取り付けることができます。




付属の鍵を使えばHDDの抜け止め防止でロックをすることが可能。HDDが盗まれにくくなる防犯としても使えます。








DXP2800 | DXP4800 Plus | DXP6800 Pro | |
---|---|---|---|
M.2 MVMeスロット | HDD取り外した内部 | 本体底面 | 本体底面 |
メモリ | 本体底面 | 本体底面 | 本体底面 |
3機種ともSSDの装着やメモリの交換・増設が可能となっていますが、場所が少し異なります。


電源アダプターはDXP2800とDXP4800 PlusはACアダプター外付け。DXP6800 Proはコードのみとアダプター部分は本体内蔵となっています。




電源はサンプルのため全てアース付きとなっているため、そのままコンセントへ刺すときは3P→2Pへの変換が別途必要でした。しかし日本正式販売時は2Pプラグを標準装備しており、別途変換器の用意は必要ありません。
初期設定はスマホアプリから簡単にできる
NASといえば導入の高さが一般家庭への浸透を妨げているように感じます。NAS(Network Attached Strorage)なんて意味がわからないですよねwそのため外付けHDDに写真などをバックアップしている人も少なくないはず。
ただUGREEN NASyncシリーズはスマホアプリなどから簡単に初期設定をすることができます。この点が他メーカーのNASとは大きく異なるポイントです。他だとNASにブラウザでログインして初期設定することもあります。


- Windows(64bit / 32bit)
- Android
- Android TV
- iOS
- Apple tvOS
- macOS(intel / Apple Silicon)



スマホアプリ以外もさまざまなOSにアプリ展開しているよ!
アプリを経由することで一般的には導入ハードルが非常に高いNASを、簡単に初期設定することができます。NASって実はサーバーのようにいろんなことができるのですが、ストレージ用途であればこのアプリセットアップだけで十分です。
それでは初期設定の順番を見ていきましょう。
- UGREEN NASアプリをインストール
- 画面の指示に従ってNASyncの電源を起動してWi-Fi ルーターに接続する
- スキャンしてNASyncを登録
- 管理者アカウントを作成
- デバイスのリモートアクセスをONにする場合はUGREENのアカウント作成
- NASの初期化(7分程度) + UGOS Pro(OS)の初期化(4分)
- ストレージの割り当てを決定


まずはApp StoreやGoogle Playから「UGREEN NAS」アプリをダウンロードします。


付属の電源ケーブルとLANケーブルを使って自宅などのWi-Fiルーターに接続します。


付属LANケーブルはCat7の約1mのSTP(シールド保護されたLANケーブル)でした。


Wi-Fi ルーターに接続さえすれば、あとは自動でNASを探して表示してくれます。


DXP2800を管理するためのユーザーを作成しましょう。ユーザーごとに保存領域などを区切ることもできるので、家族内だけでなくビジネス用途としても直感的で使いやすくなっています。




UGREEN NASyncはインターネット接続しているので、外出先からも接続することができます。ここでUGREENアカウントを作成すれば指定されたリンクに対して接続するだけで、まるでクラウドストレージのように使うことができます。これがNASの強みですね。




ここまで終わったらあとはアプリまかせでOK。システムの初期化をということなのでボタンをタップします。ここは約7分かかりました。
その後UGREEN NASyncで使われているOS「UGOS Pro」のシステムファイルロードが始まります。ここは4分くらい待つ必要がありました。
ここまでくればアプリの初期設定は終了です。NASして使うことができるようになりました。




最後にストレージで使う人がほとんどだと思うので用意したHDDをどう使うのか。ストレージマネージャーの設定だけ紹介しておきます。RAIDの説明も含んで長いため、下記に折りたたみにしておきます。個人的おすすめ設定はDXP2800では「RAID 1」、DXP4800 Plusでは「RAID 5」・DXP6800 Proでは「RAID 5」です。
RAIDの説明はこちら
HDDを複数実装できるUGREEN NASyncはHDDの冗長性を高めるRAID(レイド)というものを組むことができます。簡単に言うと1つのHDDが壊れてもほかのHDDで補完してデータを保護するといったものですね。
RAIDの説明について一覧表にまとめてみました
モード | 特徴 | 最小ディスク数 | 冗長性 | 性能 | 主な用途 |
---|---|---|---|---|---|
JBOD | 複数ディスクを単一の「連続した領域」として結合(冗長性なし)。1台故障で全データ喪失。 | 2台以上 | × | 通常 | 一時的な大容量ストレージ |
Basic | 単一ディスクをそのまま使用(RAID未適用)。故障リスクが最も高い。 | 1台 | × | 通常 | 個人用・簡易ストレージ |
RAID 0 | 複数ディスクを「ストライピング」で結合。容量と速度が向上するが、冗長性なし。 | 2台以上 | × | 最高速 | 一時的な高速作業用(例:動画編集) |
RAID 1 | ディスクを「ミラーリング」で完全複製。冗長性が高く、1台故障でも継続可能。 | 2台 | ○ | 通常~低速 | 重要データのバックアップ |
RAID 5 | 分散パリティ方式。冗長性あり(1台故障まで耐える)。速度と安全性のバランス型。 | 3台以上 | ○ | 高速(読み込み) | 中小企業サーバー・NAS |
RAID 6 | RAID 5の強化版(2台分のパリティ)。最大2台の故障まで耐える。 | 4台以上 | ◎ | 中速 | 大規模ストレージ・長期保存 |
RAID 10 | RAID 1(ミラーリング)とRAID 0(ストライピング)を組み合わせた高性能モード。 | 4台以上 | ◎ | 超高速 | 高負荷データベース・仮想化環境 |
アプリ経由でRAIDタイプを選択してHDDを割り当てればあとはバックグラウンドでストレージスペースの作成が進みます。ほかにも最初にフォルダーをなにか作成するようアドバイスをくれるのでストレージとして使うだけならアプリの指示に従うだけと本当に簡単なんです。



使える容量は減るけどいざというときの故障に備えられるよ!






ここまで完了すれば、あとはフォルダーを増やして整理していくだけなのでWindowsのエクスプローラーやMacOSのFinderと操作感は大差ありません。またSMBサービスにも対応しているので、ブラウザやアプリを経由しなくてもエクスプローラーやFinderから直接操作することもできます。


SMBはデフォルトだと有効になっていないため、「コントロールパネル → ファイルサービス → SMB設定」で有効にする必要があります。ほかにもFTP・FTPS・NFS・rsync・WebDAVなどに対応。
- Link-Aggregationを組む人限定で恩恵がありますが、SMB3 マルチチャンネルも初期では有効になっていません。アプリではなくブラウザより有効にする必要があります。


充実のアプリケーション
UGREEN NASyncはストレージ以外のアプリケーションも充実しています。特にスマホの写真バックアップやTVで映像や音楽を楽しむためのメディアサーバー機能(DLNA)の対応は気になっている方が多いのではないでしょうか。すべてを詳細には語ると膨大なのでどんなアプリが用意されているのか紹介していきます。


カテゴリ | アプリ名 | 説明 |
---|---|---|
仮想化 & コンテナ管理 | Docker | コンテナ型仮想化アプリ。Webサーバーやデータベースなど、多様なコンテナアプリを簡単に構築・管理。 |
Virtual Machine | 仮想マシン(VM)の作成・管理。Linux/Windows OSの実行やハードウェアリソースの柔軟な割り当てが可能。 | |
セキュリティ & データ保護 | Security Manager | クラムAVエンジンによるウイルススキャン。リアルタイム保護や定期スキャンをサポート。 |
Version Manager | 「Sync & Backup」で共有フォルダのファイルバージョンを管理。履歴の追跡・復元に対応。 | |
データ管理 & バックアップ | Sync & Backup | NAS ↔ PC/リモートNAS間のデータ同期とバックアップを一元管理。 |
Netdisk Tools | ネットディスクとの高速・安全なデータ同期タスクを設定。クラウド連携を強化。 | |
メディア管理 & ストリーミング | Video Center | 動画コンテンツの管理・ストリーミング。ポスターウォール構築やマルチデバイス再生を支援。 |
Music | 音楽ライブラリ管理とプレイリスト作成。友人との共有機能を提供。 | |
Photos | 写真管理と共有。アルバム整理やモーメントのシェアに特化。 | |
DLNA | DLNA対応デバイスへのメディアストリーミングを可能にする。 | |
クラウド & ネットワークサービス | Download Center | HTTP/FTP/BT/PTなど多様なダウンロード形式をサポート。PTサイト向けの高度なダウンロード管理機能を提供。 |
生産性 & コラボレーション | Online Document | オンライン共同編集・ドキュメント共有。権限制御や暗号化、コメント機能を備えたローカルNAS保存型のオフィスツール。 |
ユーティリティ & ツール | Text Editor | プレーンテキスト/HTML/XMLの編集ツール。エンコード形式切替やシンタックスハイライトをサポート。 |
スマホの写真バックアップはNASyncへ「同期とバックアップ(Sync & Backup)」をインストールすれば、スマホアプリより簡単にバックアップすることができます。




NASyncへ同期とバックアップをインストールしたあと、スマホアプリで開くと上記のような画面が表示されます。1度設定してしまえば、スマホでUGREEN NASアプリを開くたびに自動で差分をバックアップ。スマホの容量少ない問題を解決することができます。
ほかにもコンテナ型仮想アプリ「Docker」があれば、数千種類のコンテナアプリを使えるのでNASの機能を無限大に拡張することができるのですが、一般的にはなかなか浸透していないですよね。簡単に言うと上記のNASyncで用意されているアプリ以外に機能を持たせたい場合、Docker上でアプリを動かすことができNASyncの機能を拡張することができます。
UGREEN NASyncはストレージ機能に加え、Dockerを活用したアプリケーションの拡張、セキュリティ機能、メディア管理、リモートアクセス、高速キャッシュなど、多彩な機能を提供します。これにより、家庭用からプロフェッショナル用途まで幅広いニーズに対応可能です。
UGREEN NASyncのレビュー


それではUGREEN NASyncを使ったレビューをしていきます。
アプリやブラウザでの操作感
- 専用アプリ「UGREEN NAS」
- ブラウザ
UGREEN NASyncは基本的にはアプリ(UGREEN NAS)かブラウザで操作します。(TelnetやSSHなどでCLIの操作もできますがここでは割愛)




どちらも操作が非常に直感的だったのでUIとなっています。アプリでは一覧表示、ブラウザではWindowsのようにデスクトップに一覧で並んでいます。そこから必要なものを選択していくだけ。アイコンは同じものを使っているため、操作感にそこまで使うことはありません。




NASといえばブラウザでの操作が当たり前でしたが、アプリでも簡単に状態確認やアプリのダウンロード・設定変更などをすることができ、ライトユーザーへの使い勝手をかなり意識して開発されていることがわかります。
稼働音について




UGREEN NASyncの稼働音について少し紹介。結論から先にいうとHDDが稼働しているときは「カリカリッ」とHDDの読み書き音がどうしても聴こえてきます。
各モデル冷却ファンも搭載していますが、下記の3つのファンモードが用意されています。


- デフォルトモード: システム内部の温度に応じてファン速度を自動調整し、冷却性能と静音性のバランスを取ります。
- 静音モード: ファン速度を低速に抑えることで、騒音を最小限に抑えます。ただし、冷却性能が若干低下する可能性があります。
- 全速モード: 最大冷却性能を発揮するためにファンを全速で稼働させますが、騒音が増加します。
ファンについては全速モードにしてわざとファンを回さない限りは、気になるほど聞こえることはありませんでした。(CPUの性能が高いのでそこまで負荷をかけきれなかったというのが正直なところかもしれません)
ぼくが使っているところで確認できたのは初期設定時にファンがガンガン回ってました。冬場で寒かったのも起因しているかもしれません。
そのため静寂な部屋でUGREEN NASyncを立ち上げていれば「カリカリッ」といった音が少し聴こえてくる程度となっています。ただし音はHDDベイ数が大きいほど少しずつ大きくなり、DXP6800 Proの6台HDDを搭載した状態だと音は結構目立ちました。



音はDXP2800 < DXP4800 Plus < DXP6800 Proの順番で大きくなっていきました。音の原因はHDDだから数の増加に伴ってというところだね。
各モデルの読書速度の違い
NASync DXP2800 | NASync DXP4800 Plus | NASync DXP6800 Pro | |
---|---|---|---|
ネットワーク | 2.5GbE x1 | 2.5GbE + 10GbE | 10GbE x2 |
転送速度 (実際の転送値予想) | 280〜310MB/s | 500〜1200MB/s | 1200〜2400MB/s |
Thunderbolt 4 | なし | なし | 2 |
UGREEN NASyncの読書速度はネットワークの接続速度に依存します。上位機種のDXP4800 PlusやDXP6800 Proであれば10GbEthernetに対応。DXP6800 Proなら10GbEthernet × 2の20GB/sのリンクアグリゲーション(LANケーブル2本を仮想的に1本に束ねる技術)に対応させることもできます。
実際に3モデル用意(一部借用)して読書速度を測定してみました。(なお10GbEthernet × 2の環境は用意できませんでした。)
- 全モデルSSDキャッシュドライブとして設定済み(SSDキャッシュドライブについて詳しくは後述しています)
実際に測定した結果はこちら
シーケンシャルアクセス | |||||
---|---|---|---|---|---|
PC接続 | Wi-Fi経路 | NASモデル別速度 | |||
キャッシュ | SSDDXP2800 (2.5GbE) 理論値 312.5MB/s RAID1 | DXP4800 Plus (10GbE) 理論値 1250MB/s RAID5 | DXP6800 Pro (10GbE) 理論値 1250MB/s RAID5 | ||
理論値 1250MB/s | 10GbE(有線接続) | →親機🔵 SSD有 | 296.26MB/s 295.40MB/s | 1185.71MB/s 1180.41MB/s | 1177.56MB/s 1177.30MB/s |
⚪ SSD無 | 296.35MB/s 295.30MB/s | 1185.73MB/s 1130.46MB/s | 1152.98MB/s 1161.00MB/s | ||
(無線中継) | →子機🔵 SSD有 | 296.12MB/s 294.74MB/s | 569.23MB/s 534.33MB/s | 570.27MB/s 540.15MB/s | |
⚪ SSD無 | 296.01MB/s 294.10MB/s | 558.74MB/s 526.10MB/s | 569.46MB/s 537.67MB/s | ||
理論値 312.5MB/s | 2.5GbE(有線接続) | →親機🔵 SSD有 | 296.33MB/s 295.53MB/s | 295.96MB/s 295.51MB/s | 295.26MB/s 294.78MB/s |
⚪ SSD無 | 296.43MB/s 295.36MB/s | 295.81MB/s 294.98MB/s | 295.66MB/s 294.44MB/s | ||
(無線中継) | →子機🔵 SSD有 | 295.83MB/s 294.88MB/s | 295.88MB/s 294.36MB/s | 295.77MB/s 294.30MB/s | |
⚪ | SSD無293.97MB/s 288.93MB/s | 295.80MB/s 294.90MB/s | 295.50MB/s 294.38MB/s |
ここでこう思う人が多いかと思います。
- 2.5GbEで読書速度は300MB/sの頭打ちがきている
- DXP4800 Plus以上はSSDの有無にかかわらず書き込み速度が1150MB/sで頭打ち
その通りなので1つ1つ見ていきましょう。「2.5GbEで読書速度は300MB/sの頭打ちがきている」について。これは物理インターフェイス速度の限界ですね。2.5GbE(ギガビットイーサネット)はバイト表記に直すと312.5MB/s(メガバイトパーセカンド)が上限値です。
検証にはWi-Fi 7対応のメッシュWi-Fi TP-Link BE85を使ったのですが、大容量データ転送時は子機側に繋いでも速度低下がほぼ見られないことには驚きました。中継を無線でしているとは思えないバックボーン通信の強さを体感できました。
もう1つの「DXP4800 Plus以上はSSDの有無にかかわらず書き込み速度が1150MB/sで頭打ち」というのはなぜなのか。「SSDキャッシュいらないじゃん」と思う方もいると思いますがその通り。使用用途によってはSSDなしでも十分です。
上記の測定は大容量のデータのやり取り ⇒ シーケンシャルアクセスを想定して測定したもの。この場合、SSDキャッシュが作用せずHDDへのダイレクトアクセスとなるため、測定値はHDDアレイのベンチマーク特性を反映しています。そのため大容量の動画データを保存するだけの用途では、SSDキャッシュの効果は限定的です。
一方、容量の少ない写真を保存して見返すなど小ファイルの同時読み書き ⇒ ランダムアクセスに該当します。この場合、従来のHDDでは性能が十分に発揮できず、SSDキャッシュの効果が大いに期待されます。ここからはランダムアクセスの実際の測定結果を詳しく見ていきましょう。



写真のサムネイルや小サイズの画像データを高速にアクセスする能力を今から測定していくよ!
ランダムアクセス | |||||
---|---|---|---|---|---|
PC接続 | Wi-Fi経路 | NASモデル別速度 | |||
キャッシュ | SSDDXP2800 (2.5GbE) 理論値 312.5MB/s RAID1 | DXP4800 Plus (10GbE) 理論値 1250MB/s RAID5 | DXP6800 Pro (10GbE) 理論値 1250MB/s RAID5 | ||
理論値 1250MB/s | 10GbE(有線接続) | →親機🔵 SSD有 | 65.98MB/s 60.43MB/s | 126.51MB/s 114.29MB/s | 134.76MB/s 122.64MB/s |
⚪ SSD無 | 63.16MB/s 54.68MB/s | 158.85MB/s 132.22MB/s | 116.16MB/s 110.24MB/s | ||
(無線中継) | →子機🔵 SSD有 | 35.61MB/s 42.02MB/s | 37.06MB/s 40.48MB/s | 37.98MB/s 41.80MB/s | |
⚪ SSD無 | 37.29MB/s 40.65MB/s | 40.32MB/s 42.44MB/s | 37.81MB/s 42.73MB/s | ||
理論値 312.5MB/s | 2.5GbE(有線接続) | →親機🔵 SSD有 | 63.35MB/s 56.42MB/s | 140.50MB/s 121.12MB/s | 137.59MB/s 123.09MB/s |
⚪ SSD無 | 62.53MB/s 54.03MB/s | 153.23MB/s 130.35MB/s | 123.50MB/s 116.72MB/s | ||
(無線中継) | →子機🔵 SSD有 | 36.86MB/s 40.85MB/s | 39.55MB/s 44.15MB/s | 34.83MB/s 42.03MB/s | |
⚪ | SSD無35.93MB/s 40.46MB/s | 41.47MB/s 42.74MB/s | 36.17MB/s 38.49MB/s |
この結果を見る限りランダムアクセス数値的にSSDキャッシュの恩恵を受けているようにあまり感じない結果になりました。ただ実際に使ってみるとたしかにSSDキャッシュのみの方が写真の表示速度などが明らかに早い。ということでLightroomのプレビュー機能(写真を読み込んだ際に、元ファイルより小さいファイルを作成しRAW編集を高速化する)の作成完了までの時間を見てみました。
RAWファイル 570枚(17.89GB)のプレビュー作成完了速度 | ||||
---|---|---|---|---|
PC接続 | Wi-Fi経路 | NASモデル別速度 | ||
キャッシュ | SSDDXP2800 (2.5GbE) 理論値 312.5MB/s RAID1 | DXP4800 Plus (10GbE) 理論値 1250MB/s RAID5 | ||
理論値 1250MB/s | 10GbE(有線接続) | →親機🔵 SSD有 | 13分06秒 | 11分16秒 |
⚪ SSD無 | 16分01秒 | 15分12秒 |
結果は上記のとおりとなりました。結果としては10%短くなる程度の結果に。ここまでの結果からSSDキャッシュは限定的な効果しか得られないと結論付けました。
UGREEN NASyncは上位モデルになるほどHDDの搭載数も増えるため、HDD複数の同時読み書きで速度も高速化。さらに10GbEthernet接続環境が用意できれば、実用上十分すぎる速度を測定できました。NAS専用のSSDは耐久度が高いモデルを選択する必要があり、コストパフォーマンスとしてはそれほど良くないと感じました。
また実際に測定してみると具体的数値が出ましたが、10GbEthernetはやはり高速ですね。総合的に考えるとDXP4800 Plusのコスパの良さが目立ったのが印象的でした。
実際の写真や動画の読み込みの体感速度
具体的数値については前述の測定結果でわかったと思いますが、それってどのくらいなの?って人のために数シーンに分けて使用感を試してみました。
- DLNAでTVに映像流す
- 写真編集(LightroomやCapture One)
- 動画編集(NAS上の4K動画編集)
DLNAでTVに映像流す
NASyncにはDLNAアプリが用意されており、TVなどとNASを簡単に接続して保存されている動画を再生することができます。保存されているデーターが4K動画とした場合約30〜50Mbps(240~400Mbps)程度の速度が必要になります。ぼくの家では子どもの発表会などを4K動画(4K/30fps (H.264))として残しており、家族で上映会をして楽しんでいます。
実際にTVなどで再生して一切の遅延はありません。10秒送りや早送り、別の動画へ飛ぶなどを繰り返しても最低でも2.5GbEthernetに対応しているNASyncからしたら余裕でした。
写真編集(LightroomやCapture One)
測定もしていましたが、ぼくはフルサイズカメラの撮影データをLightroomやCapture OneでRAW現像しています。結論から行くと10GbEthernet対応のDXP4800 PlusやDXP6800 Proでは、Mac内蔵SSDに保存しているものより、遅延を感じることがある程度でサクサクと読み書きすることができます。特に遅延を感じたのは何百枚も一度に読み込んだときが遅いと感じるくらいでした。
一方、2.5GbE対応のDXP2800では、10GbEモデルと比較して速度は劣りますが、読み込み完了後すぐに編集作業に移っても、プレビュー画面の表示にわずかな遅延が見られる程度で、実用上は問題なく快適に編集できました。
Mac内蔵SSDで編集し、編集後にNASへ移動するワークフローであれば、機種による速度差は転送時間のみに現れます。しかしNAS上のRAWファイルを直接現像する場合でも、わずかな読み書き速度の差はあるものの、実際の編集作業における遅延は限定的です。
動画編集(NAS上の4K動画編集)
4K動画もNAS上の4K動画を編集して見ました。DXP2800とDXP6800 Proで試しましたが、こちらも動作としては問題なし。MacBookからNASyncにSMB接続した状態で、DaVinci Resolveで検証したところ、NASync上の複数の4K動画を同時に読み込み、タイムラインゲージを高速に移動させたり、早送り・巻き戻しを頻繁に行っても、再生に遅延は見られませんでした。2.5GbEthernetのDXP2800ですら特に不満は感じませんでした。
今回の検証では4K/30pの動画ファイルを使用しましたが、より高ビットレートの動画や、エフェクトを多用した複雑な編集を行う場合は、より高速なネットワーク環境やSSDキャッシュの活用が求められる可能性があります。しかし、一般的な動画編集作業(カット編集、簡単なトランジションの追加など)であれば、DXP2800でも十分に快適にこなすことができるでしょう。
大容量データを高速化したい人にはSSDキャッシュとジャンボフレーム
ここではUGREEN NASyncを大容量データを取り扱うときに高速化する工夫を紹介します。
- SSDをキャッシュドライブとして使用
- MTUの数値を上げたジャンボフレームを使用
SSDをキャッシュドライブとして使用


UGREEN NASyncシリーズはM.2 MVMe SSDを2つ搭載することができます。各モデルHDDの搭載数に違いはありますが、M.2 MVMe SSDは2つです。






モデルによってM.2 MVMeスロットの搭載場所は異なりますが、DXP2800はHDDを取り外した際の内側面。DXP4800 PlusやDXP6800 Proは底面に搭載されています。それぞれ冷却用サーマルパッドもあるため、しっかり貼り付けましょう。
- 今回は検証でSSDの取り付け外しを頻繁にするためにフィルムを貼り付けたままSSD取り付けを行っています(絶対に真似しないように)
SSDの使い方としては2つ。
- 保存領域として使う
- 読書速度を向上させるSSDキャッシュドライブとしての使用。
となっています。ここではSSDキャッシュの使い方を紹介。
SSDキャッシュドライブのセットアップはアプリからももちろん可能。ストレージマネージャーから「SSDキャッシュの作成」を選択しましょう。




MTUの数値を上げたジャンボフレームを使用
NASと接続しているネットワーク機器(Wi-Fiルーターやスイッチングハブなど)で、1度に転送できる情報量を巨大化させることで、データ通信を高速化することができます。これがジャンボフレームです。
MTUとは:1つのイーサネットフレームで通信する最大情報量のことです。一般的なイーサネットネットワークではMTUは1500バイトに設定されていることが多いです。
このMTUを大きくすると、1フレームで送信できるデータ量が格段に増えます。そのため、同じデータを送るのに必要なヘッダーの割合が減り、効率的にデータ転送ができるようになります(このことをスループット改善といいます)。
例えば、同じ荷物を送るのに、小さな箱に分けてたくさん送るよりも、大きな箱にまとめて送る方が、箱の数(ヘッダーのやり取り)が減って効率的になるのと同じです。
実際に10GbE環境で試すと以下の結果となります。
転送タイプ | 1500B MTU | 9000B MTU | 差分 |
---|---|---|---|
100GB 単一ファイル | 112秒 | 98秒 | -14秒 |
10万ファイル(各1MB) | 68秒 | 65秒 | -3秒 |
上記の通り1つの大きいファイルを転送するときに大きな効果があり、逆に小さいファイルを大量に送る場合には大した効果は期待できません。
またジャンボフレームは接続されている機器すべてのMTUをジャンボフレームにする必要があります。Wi-Fiルーター1つでも対応している機種が限られるため、費用対効果としては少し低くなりそうです。



今持っている機器や今後導入する機器が全てジャンボフレームに対応させれば容量の大きいファイル伝送に有利です。
NASyncを最大限活かすようなルーター選び | スマホやPCのWi-Fiスペックも紹介


NASを高速で使いたいなら基本的にはLANの有線接続が推奨されます。Wi-FiだとWi-Fi 7 320MHzの帯域幅でやっと高速通信を教示することができます。
10GbEthernet対応のスイッチを用意してWi-Fiルーターに接続すればいいのでしょうが、一般の人は10GbEthernetのスイッチを別で用意しないと思うので割愛。あくまでNASync接続用にWi-Fiルーターを用意するならという目線で御覧ください。
まずは具体的数値としてApple製品でWi-Fiの規格と速度について一覧にしてみました。
以下は、M1以降に発売されたすべてのMacモデルを網羅し、Wi-Fi規格ごとに分類した表です。
Wi-Fi規格 | 対応モデル | 最大速度 | 帯域幅 | MIMO | 周波数帯域 | 発売年 |
---|---|---|---|---|---|---|
Wi-Fi 6 (802.11ax) | MacBook Air (M1) MacBook Pro 13″ (M1) Mac mini (M1) iMac 24″ (M1) MacBook Pro 14″/16″ (M1 Pro/Max) Mac Studio (M1 Max/Ultra) | 1,200 Mbps (5GHz帯) | 80 MHz | 2×2 | 2.4GHz / 5GHz | 2020-2022 |
Wi-Fi 6E (802.11ax) | MacBook Air 13″/15″ (M3) MacBook Pro 14″/16″ (M2 Pro/Max) MacBook Pro 14″/16″ (M3 Pro/Max) Mac mini (M2/M2Pro) Mac mini (M4/M4Pro) Mac Studio (M2 Max/Ultra) Mac Pro (M2 Ultra) | 2,400 Mbps (6GHz帯) | 160 MHz | 2×2 | 2.4GHz / 5GHz / 6GHz | 2023-2024 |
Wi-Fi 7 (802.11be) | iPhone 16 Pro(おまけ) | 2,400 Mbps (6GHz帯) | 160 MHz | 2×2 | 2.4GHz / 5GHz / 6GHz | 2024 |
10GbEthernetに対応しているM1以降のMacはMac mimiやMac Studioのデスクトップモデルだけです。そのため他のMacにおいてはThunderbolt対応の10GbEthernetを用意する必要がありますが、いかんせん高い。OWC Thunderbolt 3 10G Ethernet Adapterを例にすると3万円オーバーとなっています。




ぼくはセンチュリーのものを使っています。


ネットワークカードとなるとWindowsの拡張性が高く、PCIeスロット対応の10GbEthernet ネットワークカードが1万円以下で販売されています。


またWi-Fi 7対応のネットワークカードもあります。マザーボードとの相性があるようですが、複数のバンドを束ねて使うMLOにも対応しているようです。
ここまでで10GbEthernetの環境をPC側で用意できたとして、おすすめのルーターはこちら。
- TP-Link Archer BE900(2.5GbpsのLink-Aggregationなら可能)
- TP-Link Deco BE85
TP-Linkの回し者みたいになっちゃいましたが、他メーカーでWi-Fi 7ルーターでインターフェイスが充実しているものが少ないんですよね。逆に言うと10GbEthernet対応させるならLANケーブルも含めてそれなりの費用がかかります。
HDDやSSDのおすすめメーカーや機種・容量について
NASで使うHDDやSSDの選定迷うのは機種や容量だと思うので、こちらもおすすめをまとめてみました。




HDDはNAS向けのWestern Digitalの「WD Red」やSeagateの「IronWolf」がおすすめです。ぼくは今回WD Redでレビューさせてもらいました。
容量はNASyncのHDDベイ数にもよりますが、DXP2800ならRAID1で合計容量は半分に。DXP4800 Plusの場合ならRAID5で3/4倍。DXP6800 ProならRAID5で5/6倍となります。




次はSSDについて。NASyncはPCIe 4.0に対応(PCIe 3.0互換性あり)しています。SSDキャッシュ用のSSDとしてPCIe 3.0とPCIe 4.0どちらを選ぶべきなのか。ネットワーク速度とPCIeの帯域幅を比較しながらまとめてみました。
項目 | 2.5G Ethernet | 10G Ethernet | 20G Ethernet (10GbE × 2) | 40G Ethernet (Thunderbolt 4) |
---|---|---|---|---|
対象機種 | DXP2800 DXP4800 Plus DXP6800 Pro | DXP4800 Plus DXP6800 Pro | DXP6800 Pro | DXP6800 Pro |
ネットワーク速度 (理論値) | 2.5 Gbps (312.5MB/s) | 10 Gbps (1250MB/s) | 20 Gbps (2500MB/s) | 40 Gbps (5000MB/s) |
ネットワーク速度 (実効値) | 2Gbps 程度 (250MB/s) | 8Gbps 程度 (1000MB/s) | 16Gbps 程度 (2000MB/s) | 32Gbps 程度 (4000MB/s) |
PCIe 3.0 SSD (x4) 帯域幅 | 約4000MB/s | |||
PCIe 4.0 SSD (x4) 帯域幅 | 約8000MB/s | |||
SSDキャッシュのボトルネック | ネットワーク | ネットワーク | ネットワーク | ほぼ同等 |
SSDキャッシュの活かしやすさ | △ (SSD性能を活かせない) | 〇 (ある程度SSD性能を活かせる) | ◎ (高速SSDの恩恵を受けやすい) | ◎ (高速SSDの恩恵を最大限に) |
推奨SSD規格 | PCIe 3.0 で十分 | PCIe 3.0~4.0 | PCIe 4.0 推奨 | PCIe 4.0 推奨 |
測定結果でまとめましたが、SSDキャッシュの効果は限定的であると良い保険のような存在です。上記表を見ても分かる通り、結局はネットワーク速度がボトルネックとなっています。
ただしDXP6800 ProにはThunderbolt 4が搭載されており、Thunderboltネットワーク(Thunderbolt接続でNASyncを外付けSSDのように使える)に対応する予定があります。そのためDXP6800 ProユーザーにはPCIe 4.0のSSDが選択肢としてありです。ただNAS用の耐久値の高いSSDは高価なので価格とも応相談ですね・・・


ちなみにSSDはこちらがおすすめ!WD RedのWDS500G1R0C。書き込みが多いSSDキャッシュ用途としては耐久性が高いモノが推奨されています。




ちなみにSSDキャッシュの容量はHDD容量の5〜20%(パレードの法則に基づく)と言われています。
- 実際NASに保存されているデーターに対して網羅的にアクセスするのか一部に集中してアクセスするのかで異なります。
結局全てSSDで構築(オールフラッシュ)ではないので、ほとんどのデータはHDD・よくアクセスするデータはSSDあった方が早いという運用になります。どれにアクセスするのかわからないランダムアクセスにおいて、カバーできる範囲がHDD合計容量の20%程度あれば安心といったところですね。
ぼくはHDD 4TB × 2 → RAID1で合計容量4TBの12.5%となる500GBのSSDを用意しました。読み書き用として使うならSSDは2枚必要となり、コストは少しかかりますが最低でもHDDの5%以上のSSD容量を準備するようにしましょう。
UGREEN NASyncの気になった点
それでは最後にUGREEN NASyncの気になった点をまとめていきます。
スマホで自動バックアップした写真の削除機能がない
UGREEN NASyncは1度セットアップすればUGREEN NASアプリ経由でiPhoneなどのスマホに保存されている写真をNASへ自動でバックアップしてくれます。


容量開放のボタンあり
SynologyのNAS管理アプリには搭載されていたのですが、UGREEN NASアプリ側には現状バックアップした写真や動画を削除する機能がありません。
この機能地味に便利でバックアップした写真をアプリ内で削除できるため、ストレージ開放を目的としてバックアップした場合はワンタップで写真と動画分のストレージが開放できます。
NASを使う主な理由がスマホなどのストレージ不足があると思うので、バックアップ後の写真や動画削除ボタンはぜひ搭載して欲しい機能です。



スマホの写真アプリを開いて削除したい写真や動画を個別に選択すればよいだけですが、NASに保存してしまえば個人的にはOKなのでアプリ内で一括削除がしたかったです。
Thunderbolt 経由でMacBook に直接接続し、外部ストレージとして使用できない


DXP6800 ProにはThunderbolt 4の端子が前面に2ポート搭載されています。執筆時(2025年2月)ではThunderbolt 4を直接Macなどに指してNASyncを外付けSSDのように認識して使う(Thunderboltネットワーク)ことはできません。
ではこのThunderbolt 4はどのような使い方を?というと別の外付けSSDなどと直接接続してNASyncと外付けSSD間でデータ転送することができます。
redditには今後アップデート予定とありとUGREENより正式回答があっていたので、実際にいつ対応するのか確認してみました。
回答としては「今年の上半期対応予定。早ければ1Q内に実現」とのこと。Thunderbolt 4に対応すればNASといいながら超大容量の外付けSSD(HDD)のような使い方ができます。
UGREEN NASyncを自分のPCから届く範囲に置いて、Thunderbolt 4で接続。もちろんルーターにもLANケーブルで繋いでおいて、他のPCからアクセスするなど使い勝手の夢が広がります。
UGREEN NASyncはどんな人におすすめ?
UGREEN NASyncがどんな人に最適なのかまとめてみました。
- スマホの容量不足に悩む一般家庭
- 動画編集やRAW現像を行うクリエイター
- 中小企業のファイル共有サーバーを探している
- 4K/8K映像のストリーミング環境を整えたい
モデル別はこちら。
【一般家庭向け】DXP2800


- 月額費ゼロで家族の思い出を永久保存
クラウドストレージの代替として、子どもの成長記録や旅行動画を安心保存 - 設定が超簡単
アプリ操作だけで初期設定完了、ネットワーク知識不要 - 省スペース設計
Wi-Fiルーター横に置けるコンパクトサイズ(10.9cm幅) - コスパ最強
33,528円(クラファン価格)で他社同等品の半額以下
【クリエイター/中小企業向け】DXP4800 Plus


- プロ級の転送速度
10GbEポートで1,200MB/s超の実測速度を実現
4K RAW動画の直接編集が可能 - 拡張性バツグン
4ベイ+SSDキャッシュで最大112TB
成長に合わせてストレージを柔軟に拡張 - 業務継続性を確保
RAID 5対応で1台のHDD故障に耐える
自動バックアップで制作データを二重化 - チーム連携に最適
ユーザーごとのアクセス権限設定
オンライン共同編集でリアルタイム作業可能
【ハイエンドユーザー向け】DXP6800 Pro


- Thunderbolt 4で超高速接続
40Gbpsの直接接続で外付けSSD並みのレスポンス
(2025年Q1に機能追加予定) - 8K映像制作を支える
6ベイ+デュアル10GbEで2,400MB/s転送
未圧縮8K RAWのリアルタイム編集を実現 - 仮想化環境の基盤に
Core i5プロセッサー&最大64GBメモリ
複数の仮想マシンを同時稼働可能 - 未来を見据えた設計
PCIe 4.0 SSDサポートで次世代規格に対応
5年間の業務利用を見込んだ拡張性
まとめ
コスパに優れた「UGREEN NASync」をレビューしました。


- クラウドサービス契約と比べてコスト一時的な出費で済む
- 直感的なインターフェースで簡単セットアップ
- 容量は必要分をカスタマイズ可能
- エントリーモデルから2.5GbEthernetに対応し重いデータのやり取りもサクサク
- マルチプラットフォーム対応
- スマホ写真の自動バックアップ可能
- SSDキャッシュの効果が限定的
- Thunderboltネットワークは現時点で非対応
- スマホ写真はバックアップ後、ボタン1つで削除したい
今回徹底検証したUGREEN NASyncは、「NASの常識を覆すコスパ革命」と呼ぶにふさわしい製品でした。
従来NAS市場で支配的だった高価格帯の壁を打ち破り、スマホ世代にも使いやすい操作性とプロ仕様の性能を両立。3機種の特徴を改めて整理すると
機種 | 主な対象ユーザー | おすすめ用途 | コスパ指数 | 将来性 |
---|---|---|---|---|
DXP2800 | 一般家庭 個人クリエイター | ・写真/動画の集中管理 ・クラウドストレージ代替 | ★★★★☆ | △ 2ベイの拡張制約 |
DXP4800 Plus | 中小企業 プロクリエイター | ・チームファイル共有 ・4K動画編集環境 | ★★★★★ | 〇 4ベイ+SSDの余裕 |
DXP6800 Pro | スタジオ/企業 ハイエンドユーザー | ・8K映像制作 ・仮想化基盤 | ★★★☆☆ | ◎ TB4の将来拡張性 |
特に注目すべきはDXP4800 Plusのコストパフォーマンスです。10GbEネットワークと4ベイ構成というプロ仕様の性能を、他社製品の半額以下で実現。中小規模のオフィスでは、従来20万円以上かかっていたNAS環境が10万円台で構築可能になりました。
唯一の課題は稼働音ですが、HDDの選定(CMR採用モデル)や設置場所の工夫で十分緩和可能。今後DXP6800 ProのアップデートでThunderbolt 4の機能拡張が実現すれば、映像制作のワークフローを根本から変える可能性を秘めています。
最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた〜!
コメント
コメント一覧 (11件)
はじめまして。
ブログ記事について、非常に参考になりました。
現在synologyのDS923を使用しており、DXP6800 ProもしくはDXP4800 Plusへの乗換を検討しております。
ブログを見る限り、synologyを使われているようでしたので、以下の点について教えてください。
①ugreen nasのiPhoneアプリ内の写真管理機能について、synologyの photosMobileのようにキャッシュ管理ができ、過去に一度ひらけばオフラインでも写真を閲覧できる機能はありますでしょうか。
②synologyの場合、synology photosに動画をアップロードするともとが4K動画でも720pに変換されてしまいますが、この点、ugreen nasはどうですか?
③synologyに保存した動画のうち、dji osmo pocket 3で撮影した4Kの場合、再生するのがスムーズではないケースがあり、テレビへのdlna接続で見る場合も同様です。なお、ネットワーク環境は10gbpsで統一しております。ugreen nasのほうはブログのコメントにあった通り、再生時に気になる点はなかったですか?
④synologyのNASからugreen nasに乗換を行う場合、現時点での思い当たる懸念点があれば教えてください。
はじめまして。コメント頂きありがとうございます。
①現時点でキャッシュ機能は確認できません。
②動画や私はHEICからJPEGへの写真変換もSynologyでは使っていたのですが、現状そのような機能は確認できません。
③DJI Osmo Pocket 3は手元にありませんが、別カメラなどで撮影した4K動画を再生する場合は特に気になる点はありません。予想でお話させてもらうとTV側のWi-Fiが規格が古い or 伝送量の少ない2.4GHzに接続されているなどではないでしょうか。
④執筆が終わり、昨日から私用で使うためにデータ移行など進めているのですが、ファイヤーウォールの設定が気になりました。もちろん設定はあるのですが、Synologyのように基本拒否でアプリケーションなどと連動しながら開放していくような仕様ではなく、全て手動で設定するようになっています。そのため知識がない方は設定厳しいだろうなと思った次第です。細かいソフトの作り込みが全体的にまだ足りないように感じますね。ただ手動で設定できるのであればコスパの高さは個人的にはかなり評価できます。
早速ご回答ありがとうございます。
③については、テレビは有線LAN接続で、LAN端子が100BASE-TXになっているようですので、それが要因かもしれないです。無線LANであれば、11ac対応なのでWi-Fiに接続してみようと思います。
保存された動画について、DLNAでテレビで見る際にはサムネイルは表示されますか?また、nas側でサムネイルの設定ができるのでしょうか?
TVメーカーによるのかもしれませんが、私の環境ではサムネイル表示されません。
またNAS内にサムネイル設定するような画面はありませんでした。
ご回答ありがとうございます。
ファイルアプリでは、動画に関してサムネイルが表示されておりますか?
また、写真アプリにおいて、synologyのようにアルバムを作成し、そのアルバム内の写真をスライドショーにして表示できますか?
返信遅くなりました。
ファイルで動画のサムネイル表おじされます。
写真アプリ内のアルバム機能はあり。スライドショーという項目はありませんでした。
初めまして。記事を読ませていただきました。
DXP2800の購入を検討しています。
質問ですが、
1 2.5GbEのLANポートに対して家のネットはNTT光ネクストの1GbpsなのでNASを高速化するには家のネットを10Gbpsに乗り換えないと速くならないのでしょうか?
2 iOSのiCloudのデータをNASに移行出来ますか?
3 個人フォルダ、共有フォルダ、ユーザーフォルダの使い方で複数の人がアクセスした時、他人から自分のフォルダをアクセスできないようにする機能はありますか?
すみませんよろしくお願いします。
すみません、先程の2の質問で詳しく言うと、
iCloud+内に入っている写真動画をNASと接続してバックアップ出来ますか?と言う事です。
すみません、
質問の2と3は解決しました。
質問の1だけよくわからないのでよろしくお願いします。
はじめまして。コメントありがとうございます。
1.2.5GbEのLANポートに対してネット回線が1Gbpsということに対してのみ回答しますね。
→勘違いしている方多いですが、自宅内で使う場合ネット回線の速度は全く関係ありません。
自宅のスマホやPCから自宅のNASにアクセスするだけなので、インターネットに抜けていくことが全くないからです。
PC→NASといった感じで直接アクセスしにいってます。
自宅外からだと自宅のインターネット速度は高速な方がたしかに速度上昇は見込めますが、外出先のネット回線など通り道となる全ての回線の速度が関わってくるため、
外出先で繋いだ回線が2.5Gbpsや10Gbpsなの?ってところから関係してくるかと思います。
結論としては自宅内だと関係なし。外出先のみ利用環境に応じてということにはなりますが、ネット回線の速度を上げたとして現状1Gbpsの契約であればそこまでの速度上昇は見込めないかと思います。
おはようございます。
ご回答ありがとうございます。
そういう事なんですね!
YouTubeでレビューしてる方々がLANポートが2.5GbEで爆速って言ってたりするのでネット環境整えらんとあかんのか。。。となってました。わかりやすい解説ありがとうございます!
これで疑問点が全て解消されました!
ありがとうございました。